「ようこそいらっしゃいました」
階段の所で対面した彼女は、深々と頭を下げて出迎えてくれます。ソシテその姿は、色鮮やかな紅白の長襦袢(ながじゅばん・本来は着物の下に着ている肌着)姿です。太幅の金色の帯を前結びにしています。そうそう、昨年もコレ見たさに新年早々に訪れたのでした。
一瞬ボヤっと見とれてしまいましたが、彼女は自然に私が手にしたコートを持ってくれます。もう一方の手で持ったかばんも持ってくれようとしたのでハッと我に返って、
「ふふっ、コッチの方がいいや」
と、ソノ手を握りしめます。ニッコリ微笑んで握り返してくれ、そのまま2階上の奥にある彼女の部屋へと導かれます。最…
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