タイトル | 我愛称(愛してる)と言ってくれ! |
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投稿者 | ラッキーボーイ(運営スタッフ) |
投稿日 | 2010年08月07日 |
『我愛称(愛してる)と言ってくれ!』 ※このコラムを学生時代の親友であるH氏とN氏に捧げる。 200×年。 所沢プロペ通りは夜になると極端に人通りが少なくなる。まるで昼間の喧騒が嘘のようだ。 その頃の私はまだ学生で、とにかく時間だけを持て余していた。 きっとH氏とN氏も同じだった。連日、私たちはH氏の地元である所沢に集まった。 プロペ通りには『エステ6000円』と表記してある電灯看板があった。名前はもう思い出せない。そもそもその店に名前があったのかも定かではない。 その店の客引きにいつも声をかけられた。30歳前後の女性だが、明らかに日本人ではない。 彼女と立ち話をするのが日課となっていたが、入店することはなかった。 「また今度ね」 そう言って立ち去る私たちに彼女が不満を言うことはなかった。 ある日突然、私は店に入る気になった。いつも会話しているのに、一度も店に入らないのは男じゃない。その時の私はどうも『男気』というものを勘違いしていたように思う。 念のためH氏、N氏に財布を預ける。一万円札を1枚ポケットにねじ込む。彼女に雑居ビルに案内される。 店内はお香の匂いが漂っていた。明らかに日本人ではないおっさんが受付してくれる。「6000円ポッキリ」だと説明される。 嬢の写真もあったが、その時、指名したかどうかは記憶が曖昧である。 プレイルームは個室になっていたが、外と会話はつつぬけのようだ。診察台のような細長い簡易的なベッドがある。 対面した嬢は自称21歳。金髪のショートカット、小柄な中国人。顔は微妙。猿系というかゴリラ系かもしれない。 眠そうな目で挨拶される。寝起きなのかもしれない。ある程度の日本語はできるようだ。 基本プレイは手コキのみとのことだ。服も脱がない。ただ、お金を払うことによってオプションが付くらしい。金額によっては○まで可能のようだが、あいにく親友に財布を預けてしまっている。3000円を払って服を脱いでもらう。 うつぶせになり、マッサージを受ける。 あおむけになり、手コキをされる。 嬢「アナタ、キレイナ、メシテルネ。…オンナノコミタイ」 私はこんな時(手コキされてる時)、何て言えばいいのか分からなくて少しだけはにかんでみせた。 やがて逝きそうになり、その旨を嬢に伝えた。 私「そろそろ出そうだけど…」 嬢「ソノママ、ダシテ、イイヨ」 当時はピンサロしか風俗の経験がなく、口内発射しかしたことがなかった。かなりのカルチャーショックだったが、そのまま自分の腹にぶっぱなした。精子は温かいということをその時、初めて知った。 現在の私が体験談を書いたとしたら星2つ以上は与えられない。当然、再来店はあり得ない。 だが、当時の私は彼女の事が気になって仕方なかった。数日後、彼女を指名するためにその店に向かった。 この辺りの心理は当事者ながら説明が難しい。若気の至りと言うほかない。 彼女は嬉しそうだった。 それなりの金額(総額15000円〜2万円程度)を支払い、私は彼女を夢中で○いた。 嬢「ワタシト、ツキアッテホシイ」 プレイ後、彼女から告白される。私は快諾した。これについても若気の至りというほかない。 店が終わったのは朝。もう始発の時間だった。 私は彼女と一緒に池袋に向かった。そこに彼女の家があるという。同じ電車には例の客引きも乗っていた。車内には他にほとんど乗客の姿はなく、私たちは大きな声で談笑を続けた。 彼女の家に泊まった。その後、食事に誘われた。 案内された中華料理店は店員も客も全員が中国人だった。周りからは中国語しか聞こえない。このまま拉致されるのではないかと不安になり、食欲がなくなった。 だが、そんなことはお構いなしに彼女はどんどん料理を注文した。「こんなに食べられない」と彼女に伝えると、中国ではたくさん注文して食べ切れないぶんは残して帰るのが普通なのだ、と教えてくれた。 料金も彼女が払ってくれた。私が払おうとすると、中国ではお金を持っている方が払うのだ、と言われる。 たまに彼女からメールが届くようになった。 『会いだいよ。好きだよ。お店にきで。まてるよ』 彼女は週6日出勤しており、残りの1日は日本語学校に行ってるという。「大変だね」と言うと、中国の工場で働くよりは全然いいらしい。 ある日、店に行くと珍しく先客がいた。サラリーマン風の4人のおっさんが嬢の写真を吟味している。 こいつらに指名されたら嫌だなと思っていると、彼女の写真はテーブルの隅に追いやられたまま、誰も見向きもしなかった。 久し振りに彼女の家に泊まり、嫌がる(?)彼女を○いた。すぐに彼女は寝てしまった。 基本的に彼女からは『店にきて』というメールしかこない。店以外で会うのは嫌がるし、しっかりお金も取られている。 もしかしたら彼女は私のことを好きじゃないのかもしれない。ただの客(カモ)なのかもしれない。 今まで気づかない振りをしていた疑問がその晩に限って溢れてくる。 枕元には彼女の携帯が置いてあった。そっとメールBOXを見てみる。 客と思われる何人もの男性に私に送るメールと全く同じ内容のメールを送っている。やり取りも見てみる。私が恋人ではなく、ただの1人の客だということは容易に推測できる。 疲れ切った顔で彼女は熟睡していた。無理もない。異国の地で休日もなく、働き続けているのだ。 私は彼女の耳元でそっとささやいた。 「ウォーアイニー(愛してる)」 彼女は眉間にしわを寄せて、うるさそうに顔を背けた。 | |
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