タイトル | 見てしまった…(その5) |
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投稿者 | ぽち太 |
投稿日 | 2018年09月27日 |
『見てしまった…(その5)』 ろくのすけさん、ビデ三郎さん、風のヒューイさんと、敬愛する先輩諸氏がタスキをつなぐ「見てしまった…」シリーズ。 皆さんに多少の違いはあれ、似たような経験はありそうだな~と思いつつ、単に近親者の思い出というだけにとどまらず、色々と考えさせられることの多いコラムだな~と思って読ませて頂きました。 実は私も最近、似たような経験がありまして、諸先輩方のように味わい深い話ではないのですが、皆さまのコラムに敬意を表する意味で投稿させて頂く次第です。 最近、連れ合いの両親の心身の衰えが激しく、義母の方が先に脳硬塞の影響から認知症を煩い、家に一人取り残された義父も同じように介護が必要な状態になってしまい、面倒をみる家族が近くにいないことから、両親揃って同じ病院に入院することになりました。 両親が住んでいた家は空き家同然ということになり、物騒だし、いつ手放してもいいように、家の中の整理だけはしておこうということとなりました。 夏の終わり、3日ほどかけて、不要なものを処分したり、病院へ持っていくものをまとめたりしているうちに、押入の中から何冊かの雑誌や書類などと一緒に、丁寧に折り畳まれた状態のグラビアの切り抜きのようなものが数枚出てきました。 そう、ご想像の通り、エロ本、否、正確には、無修正のいわゆるビニ本の切り抜きでした。黒塗りやモザイクなどは施してありません。 表紙などはなく、あるページだけを切り離してしまっておいたものでしょう。とくに見開き大の大きなものは、モデルの体の形に沿って切り抜かれてありました。 おそらく、お気に入りのロマンポルノ女優かモデルのビニ本と思われます。ネット全盛の今の時代なら、無修正の動画作品ですら簡単に楽しめますが、今から30~40年前、私もこうした無修正のビニ本のお世話になった記憶がかすかにあり、にわかに懐かしさが甦ってきました。 その日偶然見つけたそのビニ本のモデルさんは、厚ぼったい唇、肉感的なボディ、挑発するような瞳で股を左右に大きく開き、ア○コに指を添えたり、口許で指をくわえるような仕草をしており、物憂げで、妖艶な雰囲気のある、いかにも昭和な感じのモデルさんでした。 その家に暮らしていた家族の中で男性は義父1人。私自身は結婚後、連れ合いと一緒に何度か帰省した際に泊まったことはありますが、そんな時にビニ本なぞ持ち込むことはありませんから、これは間違いなく義父が所有していたものと思われます。 義父は今年もう90歳を越える年齢です。若かりし頃は肉体労働などにも従事していたことは連れ合いから聞かされていましたが、実直で家族のためによく働く、働き者のお父さんだったようです。 一方で私の目には、当時にしては洒落た服をたくさん持っていたり、ギターやハーモニカをいくつも持っていたりと、けっこう女性にはモテたんじゃないかな~と見えていました。 そんな義父でも、結婚後までこんなビニ本を大事にしまっておいていたとは、私には軽い衝撃でした。義母によく見つからなかったな~(あるいは見つかってたのかも…)とか、もしかしたら結婚前に入手して、捨てるのも惜しいと思いつつ、そのまましまったことも忘れてたのかな~とか、色々と考えちゃいます。 しかも、しかもです。 全部ではないのですが、一部のグラビアのおま○この部分が丸く切り抜かれ、まさにその穴にナニを抜き刺しして使ったことが明瞭にみてとれたのです。 「あぁ…お父さんにもこんな時期があったんだ…」私は率直にそう思いました。体の線に沿って切り抜かれたものなどは、寝床で抱いて使ったりしたのかも知れません。 当たり前ですが、義父も紛れもなく男であり、いやむしろ、男の子だった時代があったんだな~と感慨深くなりました。洒落た格好でギターを弾き、ハーモニカを吹いてオンナたちをうっとりさせていたとばかり思い込んでいた義父の、青臭い青春時代のヒトコマが、急速に私の脳裏で形作られていきました。 そのビニ本は、元通り丁寧に折り畳み、他の人の目に触れないように別の雑誌に挟み込んで、他の本や雑誌と一緒に紐で厳重に縛ってゴミに出しておきました。 通常ならもう何十年も前に処分されていたはずのビニ本です。今ようやくその長い役目を終える時が来たのです。その現状からみて、ただ見られるというだけではない、ある意味、酷使に近い使われ方だったと思います。そういう意味では、ホントにお疲れ様だったと思います。 それとこのモデルさん。 当時としては、こんな使われ方も珍しくなかったかも知れません。でもモデルさんとしてはどうなんでしょうね、こんな使われ方。やっぱりモデル冥利に尽きるのでしょうか。それともやや迷惑?あるいは困ってしまうのでしょうかね。途中のページだけの切りぬきだったので、モデルさんの名前も分かりません。名前くらい分かれば、このご時世、ネットで調べれば何かの情報にたどり着けるかも知れませんが、それも叶いません。 もちろん、今でもこの仕事を続けている訳はないですが、一人の青年をここまで魅了し、何度も何度も天国まで連れていった女性が、今はどうしてるのか…。そんなこと知る由もありませんが、何とはなしに、その女性に思いを馳せてしまいます。 もはやこれ以上、話は広がりません。広がらないのですが、夏の終わり、去り行く季節を惜しむように、1冊のビニ本と1人のモデルさんが、持ち主にも忘れ去られたまま、あまり関係のない私のような人に見守られながら、それぞれその役割をひっそりと終えられました、というお話でした。 | |
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